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[ビジネスニュース]ベトナム 2022年の消費者物価指数は前年比3.15%、第4四半期は4.41%上昇(JETRO)
添付資料

ベトナム統計総局は12月29日、2022年の消費者物価指数(CPI)上昇率(推計値)を前年比3.15%と発表した(添付資料図表参照)。4%以内という政府目標に収まったものの、ウクライナ危機などを受けた原油価格の高騰、物価の上昇などを背景に、年後半にかけてインフレが加速し、第4四半期のCPI上昇率は前年同期比4.41%となった。

ベトナム政府は、付加価値税(VAT)の引き下げ(2022年2月14日記事参照)および石油製品の環境保護税引き下げ(2022年4月8日記事参照、注1)による税負担の軽減や、ガソリン価格の上限の統制などで、インフレ抑制に努めてきた。これらの政策が物価上昇の抑制に一定の効果を示したとみられるが、10月以降は総合CPI、コアCPI(注2)ともに前年同月比で4%を上回った。特に、コアCPIは年間を通じて断続的に上昇。10月以降は総合CPIを上回り、12月には4.99%に達した(添付資料表1参照)。

総合CPIを財別にみると、交通(ガソリンを含む)は通年で11.27%上昇となった。ガソリン価格の上昇に加え、交通機関の運賃の値上げも数値を押し上げたが、第4四半期は世界の原油価格が下落したことで、前年同期比0.86%上昇に落ち着いた(添付資料表2参照)。住居・建築材は、資材価格の高騰などで徐々に上昇し、第4四半期は6.17%上昇となった。

政策金利引き上げの影響も懸念
ベトナム国家銀行(中央銀行)は、現地通貨安(ドル高ドン安)による輸入価格上昇に伴うインフレ圧力の高まりを受け、2022年9月と10月に、政策金利を2カ月連続で引き上げた。この引き上げに伴い、一段の通貨安は抑えられたものの、金利上昇は個人消費や企業の設備投資に悪影響を及ぼし始めている。同時に、預金金利引き上げによる銀行間の顧客獲得競争が加速し、一部銀行の預金金利が年利12%を超えた。12月にはベトナム銀行協会(VNBA)が預金金利の上限を9.5%にするよう呼びかけるなど、是正に乗り出す事態となった。

ベトナムの2022年GDP成長率は8.02%と順調な経済回復をみせたが(2023年1月10日記事参照)、経済成長と物価上昇抑制を両立する困難な政策調整が今後も続きそうだ。

(注1)VAT引き下げの適用期間は2022年12月31日で終了している。環境保護税は2023年12月31日まで軽減措置を継続する(2023年1月6日記事参照)。

(注2)コアCPIは、総合CPIから穀物、生鮮食品、エネルギー、国家管理材(医療・教育サービスなど)を除いたもの。

引用:JETRO
12 January 2023
Fact-Link Vietnam