ベトナム 2023年第2四半期のGDP成長率、前年同期比4.14％、製造業が低迷（JETRO）

［ビジネスニュース］ベトナム 2023年第2四半期のGDP成長率、前年同期比4.14％、製造業が低迷（JETRO）

添付資料ベトナム統計総局は6月29日、2023年第2四半期（4～6月）の実質GDP成長率（推計値）を前年同期比4.14％と発表した。第1四半期（1～3月）の3.28％を上回ったが、政府の通年のGDP成長率目標（6.5％）に対し、低調な状況が続く。産業別の成長率は、農林水産業が3.25％、製造業を含む鉱工業・建設業が2.50％、サービス業が6.11％だった（添付資料表参照）。農林水産業は、生産・収穫量が前年同期より増加した品目が多く、安定した成長となった。しかし、水産品の主要輸出品目のエビやパンガシウス（ナカズ目の白身魚）は国外需要が伸びず、価格が下落傾向にある。 GDPの24％を占める製造業は1.18％成長に低迷し、底打ちが見えない。統計総局による製造業向けの調査では、1～6月の輸出が前年同期比12.1％減となるなど、外需の減少に加え、内需も落ち込みも目立つという。また、第1四半期に比べて第2四半期の事業動向が改善したと答えた企業、第3四半期（7～9月）での改善を見込む企業は、いずれも3割程度にとどまる。英国の調査会社IHSマークイットによるベトナムの製造業購買担当者景気指数（PMI）は、2023年1～6月では、2月を除いて50を下回っている（注）。3～5月に3カ月連続で下落し、5月は45.3に悪化した。ベトナム北部では、5月末からの電力不足も製造業の生産活動に大きな影響を与えている（2023年6月9日、2023年6月29日記事参照）。 1～6月の小売り・サービスの売上高は前年同期比10.9％増だった。しかし、第2四半期は前年同期比8.7％増、6月単月は前年同月比6.5％増で伸び率は縮小し、減速の兆しが見える。事業停止や解散も増えている。1～6月の事業停止中の企業は9万1,200社、解散した企業数は8,800社。合わせて10万社に達し、前年同期比20％増となった。前年来の高金利による資金繰りの悪化や需要の低迷など、経済減速の影響とみられる。グエン・ティ・フオン統計総局長は、GDPの政府目標達成を大きな課題とし、経済成長には金融政策、公共投資の加速や市場の需要促進などの経済政策を並行して積極的に打ち出す必要があると述べた。（注）製造業の購買責任者を対象に、生産高や新規受注、在庫水準、雇用状況、価格などの状況を評価する指数。0から100の間で変動し、50を超えると「前月比で改善や増加」、50未満は「前月比で悪化や減少」を表す。引用：JETRO

05 July 2023	Fact-Link Vietnam